温かい一言が、患者のストレスを軽減させる
前編では、ドクターズ・ファイル編集部による患者へのアンケート調査の結果から、クリニックの印象を左右する受付スタッフの対応について分析。スタッフの何気ない声かけや心遣いが、受診時のストレス軽減につながることがわかりました。では、具体的に喜ばれるスタッフ対応とはどのようなものなのでしょうか。
後編では、患者が実際に体験したエピソードを通して、具体的に患者に喜ばれる受付スタッフの対応を検証していきましょう。
編集部が実施した受付スタッフの対応にまつわるアンケート調査(※)では、良いエピソードも悪いエピソードも、さまざまな意見が寄せられました(下図参照)。それだけ、受付スタッフの対応が患者の印象に強く残っているということでしょう。忙しさの中で悪意なくやっていたことが患者の不満につながることもあれば、何気ない声かけが満足度を上げることもあることが読み取れます。
受付スタッフに求めることの第1位は「笑顔」
次に、患者が受付スタッフに何を求めているのか、どんな対応をしてほしいと思っているのかを探ってみましょう。
「受付スタッフに求めること」を挙げてもらったところ、説明のわかりやすさや案内の正確さよりも、「笑顔」「気遣い・声かけの仕方」といった、人としての優しさや温かさを、より多くの人が求めていることがわかりました。体調を崩しているときこそ、何よりも人の温かさを求めるもの。正確さを優先した語り口ももちろん大切ですが、穏やかで優しい声かけに好印象を持たれやすいようです。
1位が「笑顔」なのは、スタッフの表情から受け取るイメージが、患者の心理に大きく作用しているということの表れかもしれません。アンケート調査では「『お大事に』の一言でも、笑顔で言われるのと目も合わさずに言われるのとでは、まったく印象が違う。マニュアル的に言うだけなら、むしろ何も言わずにいてくれたほうがいい」という意見さえありました。
スタッフの笑顔が、患者の笑顔につながる
続く「気遣い・声かけの仕方」にしても、「スタッフが患者一人ひとりにきちんと向き合ってくれているか」を患者が重視している結果です。それに加え、「作業のスムーズさ・速さ」に関する工夫や努力が見て取れれば、受付の印象、つまりはクリニックの印象は格段に良いものになるでしょう。
まずは、受付スタッフが「クリニックのイメージを代表している」という自覚を持っているかどうか。その意識を持つだけでも、患者への対応は大きく変わります。受付スタッフだけではなく、クリニック全体で、同じ意識を共有することも大切です。働くスタッフが笑顔でいることが、患者の笑顔につながるのです。(ドクターズ・ファイル編集部)
※ドクターズ・ファイル編集部による「病院・クリニックでの『受付スタッフさんエピソード』」アンケート調査。対象は通院頻度の高い20~40代の男女60名。2015年にインターネット調査にて実施。
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