看護師のモチベーションと院内の雰囲気がぐんとアップする!プロに聞いたナース服選びのコツ

スタッフの中でも人数が多い看護師。何を着るかで院内の雰囲気が変わる! 

クリニックの経営に携わる皆さんは、医療者のユニフォームが患者に与える影響について考えたことはありますか? 「服の汗じみ、しわ、糸くず……意外と患者に見られている!プロに聞いたスクラブ選びのコツ」の記事でもふれたように、「メラビアンの法則」によると、相手の発言内容がポジティブなのに、表情やしぐさ、身なりなどの視覚情報はネガティブ、という矛盾が生じると、視覚情報のほうが重視されやすいといわれています。

そこで今回はナース服について取り上げます。体調が悪い上、コロナ禍で通院が不安な患者も、清潔感ある身なりの看護師が接することで、「このクリニックなら安心できそう」と感じるものではないでしょうか。ナース服の開発に定評のあるメディカルウェアメーカーのナガイレーベン、住商モンブラン、クラシコの3社に、プロの目から見た「ナース服を選ぶコツ」を聞きました。6つのポイントから解説します。


〈ポイント1〉白が多いナース服。下着が透けにくい生地なら安心 

「特に白いナース服は、透けにくい生地を選ぶといいでしょう。透けにくさは現場からのニーズが高く、社内でも『透けなくて当然』という認識があるほど。弊社のナース服『Beads Berry(R)シリーズ(写真)』をはじめとしたユニフォームでは、光を通しにくく、乱反射する生地を使っています。こうした工夫があると下着が透ける心配を減らせるのに加え、生地の厚みを適切な薄さにできて着用感が良くなり、パフォーマンスの向上にもつながります」(ナガイレーベンデザイナー)

最近ではカラーバリエーションが増えているものの、やはり白が多いナース服。「透けない」ことへの関心はとりわけ高いのだとか。対策を施した生地なら「後ろ姿を見たら下着が透けているかも……」という心配を防ぎ、患者に安心感や清潔な印象を与えることができそうです。 


〈ポイント2〉汗じみ対策として、通気性の高さや接触冷感機能を備えたものを 

「吸湿速乾性も注目してほしいポイントです。汗による湿気がこもりにくく、さらっとして涼しい感触であれば、動きやすいし疲れにくいと感じるもの。ナース服はポリエステル100%の商品が多いのですが、肌側に天然素材のキュプラを組み込んだものだと、素材の特性から高い吸水・吸湿性や通気性を得られやすいです。また肌触りが良く、接触冷感機能も備えています」(ナガイレーベンデザイナー)

患者の身近で接する看護師だからこそ、汗は気になるもの。さらりとした素材のナース服なら着心地が良く、ハードな業務を担う看護師の強い味方になってくれるでしょう。また汗じみや、汗による臭いが気になりづらく、仕事に集中しやすくなる効果もありそうです。 


〈ポイント3〉ポケットやループの充実が、持ち物の多い看護師をサポート

「ポケットやループが充実しているナース服がお勧めです。近年は機能性に工夫のある商品が増えてきていて、例えば、弊社の『PROFESSIONAL PRIDESシリーズ(写真)』では、PHS専用の胸ポケットを設け、中身がすべり落ちないよう、内側に伸縮する生地を使ってホールド力を高めています。スマホが取り出しやすいポケットや、ストラップが掛けやすい位置にループがあるナース服も便利でしょう」(住商モンブラン広報)

ペンやメモ帳、ハサミ、ペンライトなど、看護師の持ち物は多いもの。ポケットやループの工夫を生かせば、動きやすくなるだけでなく、大事なものを忘れる心配も減らせそうです。職場環境によって必要な機能がついたナース服をぜひ選んでみてください。 

 


〈ポイント4〉おしゃれなデザインで、忙しい看護師のモチベーションアップ

「長時間、忙しく働く中で着るナース服だからこそ、袖を通した時にわくわくと感動する気持ちのデザインかどうかも大切です。また、看護師がすてきに見えるファッション性の高さも重要でしょう。例えば、弊社の『GELATO PIQUE & Classicoシリーズ(写真)』では、人気ブランド・GELATO PIQUEのふんわりとかわいらしい世界観をデザインに取り入れています。デザインや色・柄にこだわることで、仕事のパフォーマンスもアップするのではないでしょうか」(クラシコ広報)

仕事のユニフォームでも、「これを着てみたい」という気持ちは大事にしたいもの。私服と同じように、お気に入りのデザインであればうれしくなり、気分も上がります。そのポジティブな雰囲気は患者にも伝わることでしょう。 


〈ポイント5〉院内の風景にマッチした色を選んで、明るい雰囲気に

「院内を動き回る看護師さんもクリニックの景色の一つと捉えて、その環境の中で映える色のナース服を選んでいただくのも1つの方法です。最近ではネイビーカラーのナース服やスクラブが人気ですが、看護師さん全員がダークな色を着ることで、院内の雰囲気が暗くなってしまうことも。明るい色・柄のタイプを着たら、患者さんからの評判が良かったという声も届いています」(住商モンブラン広報)

ナース服の色味が患者にどんな影響を与えるかを意識することも重要です。内装にこだわるクリニックが増える中、ナース服もその空間とうまく調和させたいもの。明るい彩りを添える色味であれば院内の雰囲気が変わり、患者にも明るいクリニックという印象を持ってもらえるでしょう。 


〈ポイント6〉動きやすいパンツとフォーマルな印象のワンピース。自院に合ったスタイルを 

ワンピースとパンツ、どちらがクリニックの環境に合っているか考えて選ぶのも良いでしょう。パンツスタイルはアクティブで動きやすいメリットがある一方で、ワンピースにも、かわいらしいデザインで患者さんにきちんとした印象を与えるメリットがあります」(クラシコ広報)

ワンピースタイプが主流だったナース服ですが、最近は動きやすいパンツスタイルが増えてきています。ただ、看護師が激しく動き回る必要がないクリニックであれば、よりフォーマルな印象のワンピースタイプを選んでもいいかもしれません。診療科や規模感などを考え、クリニックの雰囲気にマッチするスタイルであれば、患者からの印象がより良くなりそうです。


クリニックは、基本的には体調が悪いとき時に訪れる場所です。身近に接する看護師が院内の雰囲気にぴったり合ったナース服を着ていれば、患者の心細い気持ちにさらに寄り添うことができるかもしれません。自院の雰囲気になじみ、看護師のパフォーマンスが上がるナース服について、ぜひ多様な視点から考えてみてください。(ドクターズ・ファイル編集部)  


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