導入すればいいだけじゃなかった!患者が思う「予約制」の良いところ・気になるところ

インターネットや電話を活用した診療予約制。患者の待ち時間の短縮化が見込め、コロナ禍での感染リスク低減にもつながることから、患者が安心して通院できるように導入したドクターも多いのではないでしょうか。

実際、ドクターズ・ファイル編集部が2020年に実施した調査(※)では、新型コロナウイルス感染症対策で「予約制を導入している」と回答した医療機関の割合は50.4%と、半数を超えていました。 

この調査から2年以上がたち、その間も感染拡大に何度も直面したこともあり、調査した頃よりも予約制の導入に踏みきった医療機関はさらに増えていると推測されます。

一方、ひとくちに予約制といっても、インターネットで行えるものもあれば、電話のみを受けつけるものもあります。また、診察の順番取りを行う方式や来院時間を選ばせる方式など、予約できる内容もさまざま。それぞれの予約制についての患者のニーズを把握し、運用・改善に生かすことができれば、患者のさらなる満足度アップも見込めるのではないでしょうか。予約制の良かったところや気になったところについて、患者の声をご紹介します。


〈予約制の良かったところ〉患者ごとの受診スタイルにあわせ、ネット予約・電話予約の強みが生かされている

以上のとおり予約制が評価されているポイントは、患者のタイプによってさまざま。患者自身の受診の仕方に応じて、予約制をうまく使いこなしています。

次は予約制に関して不満に感じた点、気になるところについて、患者から寄せられた声を見ていきましょう。


〈予約制の気になるところ〉予約したのに待たされるという状況への不満や、予約方式への要望あり

今回患者の不満として挙がったのは、「予約したのに結局待たされた」というケース。予約患者だけを診察する「完全時間予約制」と違い、予約のない飛び込み患者も受けつける「時間予約制」の場合、予約患者を待たせてしまう状況は少なくないようです。他には、Dさんのように採用している予約制と患者のニーズのずれが疑われるケースも見られました。


【まとめ】予約時間から遅れる場合のフォローを徹底し、メリットを生かす運用を

ここまで、予約制についての患者の声を紹介しました。待ち時間を短縮できる、移動中でも予約できるといった利便性の高さが予約制の強みであり、依然として収束しないコロナ禍において、感染リスク低減の面からも患者の強い支持を集めています。患者にとって予約制は欠かせない存在となっているようです。

その一方で、患者は「予約=待たなくていい」と思ってしまいがち。そのため、予約したのに待ち時間が生じた場合には不満が大きくなり、クレームにつながりやすいようです。何らかの事情で予約時間から遅れるケースがあることについては、

  • ホームページで「諸事情で診察時間が遅れる場合もあります」などを告知する
  • 院内の受付や待合室にも、同様の内容の張り紙を掲示して告知する

といった方法で、日頃から患者の理解を促していくといいでしょう。もし実際に遅延が生じてしまった場合には、

  • 待たせてしまっている患者に、「救急患者の対応のため、遅れが生じています」などと事情を説明する
  • 診察の順番が来て患者を呼び出した際にも、あらためて事情を説明しつつ、遅れをわびる

などのように、事情や状況を患者に納得してもらえるよう丁寧に説明し、周知徹底を図っていくことが大切だと思われます。

自院の予約制について、患者が気になるところを把握し、適切にケアした上で、予約システムの利点を最大限に生かしていくことが、予約制を活用する上で重要なポイントといえるでしょう。(ドクターズ・ファイル編集部)


※ドクターズ・ファイル編集部による「新型コロナウイルス感染拡大における医院運営への影響とその対策」に関するインターネット調査。調査対象は開業医、有効回答数は119人。2020年5月に調査実施。 

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